相関係数とは
為替通貨における相関係数とは、ある期間におけるふたつの通貨ペアの関係の強さを数値にしたものです。同じような動きをしやすい通貨ペアのことを相関があるといい、互いに全く逆の動きをする通貨ペアを逆の相関、つまり逆相関の関係にあるといいます。
数値の範囲は-1.0 ~ 1.0で、1.0に近いほど相関性が強く、0の時には無相関(=全く関係性がない)となります。数値がマイナスのときは逆相関となり、-1.0に近いほどく逆相関が強いことを示します。つまり相関係数とは、1に近いほどそっくりな動き。0に近いほど全く関係のない動き。-1に近いほど、そっくり反対の動きということになります。
相関係数 : 1.0 → 完全に同じ動き
相関係数 : 0.8 → ほとんど同じ動き
相関係数 : 0.5 → 同じ動きが多い
相関係数 : 0.2 → 同じ動きが少しある
相関係数 : 0.0 → 全く関係なし
相関係数 : -0.2 → 反対の動きが少しある
相関係数 : -0.5 → 反対の動きが多い
相関係数 : -0.8 → ほとんど反対の動き
相関係数 : -1.0 → 完全に反対の動き
リスクヘッジには主に逆相関の関係にある通貨ペアを選びます。これはリスク分散の基本、「株」 と 「債券」 の関係のように互いに全く逆の動きをするものをもつことで合計の損が軽減されることを目的にしているためですから当然ですね。
リスクヘッジとは
意外と知っているようで知らない「リスクヘッジ」の意味。その意味は文章から簡単に推測できるようにリスクを回避したり低減する工夫をすることになります。よく略をして「ヘッジする」とも言われます。結局これは、リスク分散をすることという捉え方でおおむねいいでしょう。
今回は相関係数でヘッジをします。逆相関の通貨ペアを組み合わせれば、リターンも小さくなりますがリスクも小さくなり、結果的に大損する可能性が少なくなりますね。このように逆相関の通貨ペアを選ぶことでリスク分散をして、安心してスワップを受け取れるような通貨ペアの組み合わせを見つけることが目的ですね。
相関係数から通貨ペア候補を探す
では、実際に相関係数から逆相関になりやすい通貨ペアを探してみましょう。下の図は2007年度の主要通貨ペアの相関を表した図になります。
|
AUD/JPY |
EUR/GBP |
EUR/JPY |
EUR/USD |
GBP/CHF |
NZD/JPY |
USD/CAD |
USD/CHF |
USD/JPY |
ZAR/JPY |
| AUD/JPY |
1.00 |
0.26 |
0.97 |
0.52 |
0.39 |
0.90 |
-0.68 |
-0.24 |
0.25 |
0.74 |
| EUR/GBP |
0.26 |
1.00 |
0.35 |
0.90 |
-0.74 |
-0.04 |
-0.75 |
-0.91 |
-0.76 |
-0.14 |
| EUR/JPY |
0.97 |
0.35 |
1.00 |
0.58 |
0.30 |
0.88 |
-0.69 |
-0.31 |
0.21 |
0.73 |
| EUR/USD |
0.52 |
0.90 |
0.58 |
1.00 |
-0.48 |
0.20 |
-0.91 |
-0.94 |
-0.68 |
0.08 |
| GBP/CHF |
0.39 |
-0.74 |
0.30 |
-0.48 |
1.00 |
0.56 |
0.20 |
0.70 |
0.84 |
0.54 |
| NZD/JPY |
0.90 |
-0.04 |
0.88 |
0.20 |
0.56 |
1.00 |
-0.35 |
0.07 |
0.56 |
0.78 |
| USD/CAD |
-0.68 |
-0.75 |
-0.69 |
-0.91 |
0.20 |
-0.35 |
1.00 |
0.77 |
0.48 |
-0.22 |
| USD/CHF |
-0.24 |
-0.91 |
-0.31 |
-0.94 |
0.70 |
0.07 |
0.77 |
1.00 |
0.85 |
0.14 |
| USD/JPY |
0.25 |
-0.76 |
0.21 |
-0.68 |
0.84 |
0.56 |
0.48 |
0.85 |
1.00 |
0.56 |
| ZAR/JPY |
0.74 |
-0.14 |
0.73 |
0.08 |
0.54 |
0.78 |
-0.22 |
0.14 |
0.56 |
1.00 |
紫っぽい色は相関が0.90以上を示しています。これは相関がとてもあり、ほとんど同じような動きをしているということになります。例えば、AUDJPYとEURJPY、AUDJPYとNZDJPYなどクロス円ペアに多いことがわかります。ということはクロス円同士で組み合わせると相関が高く同時に損しやすいことがわかります。
同じように水色の所は相関が0.70近くあり、ここもかなりの相関があるのでできるだけ組み合わせたくないペアですね。
そして逆に赤色のところは相関係数が-0.9程度、つまり相当逆相関になっているペアです。このようなペアの組み合わせがリスクヘッジになりますね。主に、EURUSDとUSDCHF,USDCADなどがあります。
同じように黄色のところは相関係数が-0.70近くあり、ここも逆相関になりやすいことになります。主にAUDJPYとUSDCAD、USDJPYとEURGBPが逆相関が強く、組み合わせに向いているといえます。
【計測結果】
クロス円ペア同士のペアは相関が強く、リスク分散に向かない。しかしUSDJPYだけは他のペアより相関が低いためクロス円同士ではUSDJPYとペアを組むことである程度のリスク分散になる。また同じ欧州同士のEURGBP、同じ北米同士のUSDCADはクロス円ペアに対して逆相関が強いため組み合わせに有効。
【ZARJPYにはどこがいいか?】
高金利通貨としてかなりの人が投資しているZARJPYには目立った逆相関のペアがありません。その場合はできるだけ相関の低いものを選びましょう。この場合はEURGBPやUSDCADになりますね。たとえ逆相関でなくとも無相関に近いものなら同時に損する確率は低くなります。同じクロス円ペアは相関が高く、同時に損することが多いので沢山もつのは注意しなければいけません。
【計測期間で変わってくる】
今回は2007年一年だけで計測したものですが、相関係数というのは計測期間で数値も変わってくるものです。10年分の相関係数を計測すれば数値も変わるものですし、今回の2007年だけたまたま逆相関があっただけという可能性もあるのです。相関係数によるリスクヘッジは有効な手段ですが、万能ではないことも頭に入れておいてください。
相関係数の本来の出し方
このリスクヘッジに便利な相関係数、さてどうやって計算するのかというと・・・
まず相関を調べたい通貨ペアの数値を出します。仮にUSDJPYとZARJPYなら、USDJPY=x、ZARJPY=y、計測期間をnとして日足の終値ごとの数値を(x1,y1,),(x2,y2),(x3,y3)・・・(xn,yn)まで用意します。
計測期間n日分の通貨ペアの相関係数は以下の式で値を返します。

このような計算式で相関係数は出せるのですが、正直言って相当めんどくさいし、理解するのもめんどくさいですね。確かに計算自体は高校数学レベルなのですが、こんな計算の仕方など理系の私ですら忘れてしまいました。詳しい解説サイトが関西大学の数学関係サイトにありますのでそちらもご覧になってください。しかしそもそも分かっていても計算がめんどくさいですね。ならコンピュータに計算してもらいましょう。難しい計算と見られますが、実はEXCELで簡単に値が出せるのです。
相関係数はエクセルで簡単に出せます!
【EXCELで一発!】
さて、複雑な計算式が必要な相関係数ですがEXCELを使えば簡単に計算できます。それは相関を調べる2つの通貨ペアAと通貨ペアBの数値を入力した後EXCELの関数CORREL(A始点:A終点 , B始点:B終点)と計算すればいいだけです。とっても簡単ですね。CORRELとは ”correlation” の略称で、意味は相関のことです。(そのまんま)
【データはここから】
各通貨ペアの数値はOANDAのFXHISTORYから取ってきましょう。このサイトはほとんどのペアの数値が出せるようになっています。ページに行ったら Starting Date で計測する期間を指定し、2つある Currency Code に通貨ペアを入力します。例えばUSDJPYなら左に ”USD" 、右に ”JPY" と入力します。最後に 「Get Table」 ボタンを押せば期間中の通貨ペアの終値がズラ~~~と出されます。

EXCELでの計算の仕方

相関係数が分かる外部サイト
相関係数はEXCELで計算してもらえるので、データさえ集めれば簡単に計測できます。しかし、自分が出した数値に自信が無かったり、EXCELを扱うのも面倒と言う方は下記のサイトで相関係数を見ることができます。
相関係数でリスクヘッジするには相関ができるだけ-1に近いものを選ぶものですから、知りたいデータがあればいちいち自分で求める必要はなくなりますね。しかし、このようなサイトではメジャーな通貨同士のものしか無かったり、期間が固定されていて昔のデータが無かったりします。特にTRYやZARといった高金利マイナー通貨と相性が知りたいときにはやはり自分で求めるしかないのかもしれません。
FX通貨ペア 相関係数グラフ
このサイトは相関がわかるようにグラフ表示してくれます。
期間は1年単位で5年までしかできないのがおしいです。
NTTスマートトレードの相関係数一覧
NTTスマートトレードのサイトの相関係数の一覧です。期間は過去200日限定でNTTスマートトレードは取り扱っている通貨ペアが少ないので相関係数も少なくメジャー通貨同士しかないのでいまひとつですね。
セントラル短資FXの相関係数一覧
上記のNTTのようにセントラル短資FXで扱っているペアの相関係数を表しているページです。やはり通貨ペアが少ないのであまり参考にはならないかもしれません。